産後ママの心は「幸せ」と「しんどい」の間で揺れる
赤ちゃんが生まれた瞬間、「生まれてきてくれてありがとう」と心から思う一方で、夜泣きが続くと「お願いだから泣かないで」と思ってしまう…。
「本当に可愛い」⇔「でも大変すぎる」
「こんなに成長したんだね」⇔「早く復職したい」
「ママになれて幸せ」⇔「これから20年ずっとママでいるのはしんどい」
「子どもとの時間を大事にしたい」⇔「自由な時間が欲しい」
こんな風に、正反対の感情が同時に存在するのはとても自然なこと。
「こんな気持ちをいつまで抱え続けるのだろう…」と不安になる方も多いですが、それはあなただけではありません。
マタニティブルーズとは?産後ママに起こる心の変化
マタニティブルーズの意味と特徴
マタニティブルーズとは、出産後数日〜2週間ほどの間に起こる一時的な気分の落ち込みのこと。
涙もろくなったり、イライラしたり、不安で眠れなかったりといった症状がみられます。
多くの場合は自然に回復していきますが、人によっては1か月以上続くこともあります。(1か月経っているから産後うつなのか?と一人で考えこまないことが大事です!)
マタニティブルーズと産後うつの違い
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マタニティブルーズ:一時的で軽い気分の不安定。多くは自然に改善。
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産後うつ:症状が長引き、日常生活や育児に支障が出る。医療的なケアが必要。
「ただのブルーズなのか?うつなのか?」と不安になったら、一人で抱え込まずに専門家へ相談して大丈夫です。
産後にメンタルが不安定になる原因
ホルモンバランスの急激な変化
妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が通常の数十倍に増え、気持ちを安定させる作用や多幸感をもたらします。
ところが出産後、それらは一気に減少。急な変化に体も心もついていけず、涙もろさや不安、イライラが起こります。
睡眠不足と産後うつリスクの関係
産後は授乳や夜泣きでどうしても睡眠が削られます。研究では、睡眠時間が短いほど産後うつのリスクが高まることが報告されています。
「眠れない」こと自体が大きなストレスになり、気分の落ち込みを助長します。
育児ストレス・体の疲労・プレッシャー
授乳・抱っこによる体の負担、慣れない育児への不安、「いいママでいなきゃ」というプレッシャー。これらが重なり、心をさらに不安定にします。
マタニティブルーズへの対策と心を守る工夫
ひとり時間を作る工夫
数分でも好きな飲み物を飲んだり、深呼吸をするだけで気分がリセットされることがあります。とはいえ、短い時間だとどうしても赤ちゃんが気にかかってしまってリフレッシュできず、ある程度まとまった時間をもらったほうが思考が育児から切り離されるのでお勧めです。
産後ケアのサービスを利用するなど検討してみてください。
家事・育児は頼ってOK
完璧にやろうとしなくて大丈夫。宅配弁当や家事代行サービスの利用も立派な工夫です。
睡眠を最優先にする
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パートナーと夜間対応を交代する
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ミルクを取り入れて睡眠を確保する
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医師に相談し、必要なら一時的に睡眠導入剤を利用する
睡眠は「ぜいたく」ではなく、心と体を守るために最優先すべきことです。
SNSやネット情報に振り回されない
SNSやネット情報を見ていると、「あちらはよく寝る子で楽そうでいいな」とか「私の考え方はおかしいのかな」とか「他の人はできるのに何で自分はできないんだろう」とかネガティブに捉えてしまうこともあります。特に心身が疲れているときはなおさら…
例えば私は、「マタニティブルーズは2週間で落ち着く」とよく書かれているのを見ていたのに、2週間を過ぎてもブルーだった時、「産後うつになったらどうしよう」「このままずっと続くのか」と不安になりました。結局、産婦人科医の友人に相談したところ「1か月以上続く人も少なくない、ネット上の情報は参考程度」と言われ安心したのでした。
人と比べる必要はありません。情報は参考程度にとどめましょう!もしくは専門家にちゃんと聞きましょう。
気持ちを否定せず、パートナーに話す
「疲れた」「つらい」と言葉にするだけで気持ちが軽くなることも。気持ちを吐き出している中で整理されてきて落ち着いたりもします。
専門家に相談する
産婦人科や心療内科、保健センターの窓口など、専門家に話すだけで心がスッと軽くなることもあります。心療内科にかかるのは気が引ける…と思わず、常備薬を備えておくくらいの気持ちで受診してみるのも良いと思います!状況によっては授乳に影響の少ない睡眠の薬や神経の高ぶりを抑える効果のある漢方を処方してくれるケースもあります。
まとめ:マタニティブルーズは一人で抱え込まないで
産後は「幸せ」と「しんどさ」が同時に存在する特別な時期。
マタニティブルーズは多くのママに起こる自然な心の変化です。
大切なのは、一人で抱え込まずに周囲に頼ること。
あなたの気持ちは決して特別でも弱さでもありません。よくあることです。どうか安心して、無理せず、少しずつ歩んでいきましょう。
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