子どもの短所ばかり見てしまうときに思い出したい、「良いところの見つけ方」

子どもを褒める親 1.親の心身を楽にするコツ

子育てが進むにつれ気になる本テーマ。小学校教員を経て、教育系会社運営と子どもの第3の居場所をつくるべく学び場(フリースクール)の運営している教会の方にインタビューを行い、牧師先生の教えも踏まえて答えていただきました!他であまり聞いたことがない回答に、私も目からうろこでした。
本やSNSなどで色んな情報を取り入れている人ほど必見です♪すぐに取り入れられる具体的なヒントがたくさんあります。

つい短所ばかりに目がいってしまうのはなぜ?

子どもの短所が気になるのは、親が子どもを信じていないからではありません。むしろ「子どもに困らないでほしい」「周囲に迷惑をかけないでほしい」という強い愛情の裏返しであり、そこにはいくつかの背景があるのではないでしょうか。

  • 教育の影響
     私たちが育ってきた学校教育には、点数を「加点」よりも「減点」で捉える傾向がありました。たとえば60点を取ったときに「60点も取れた!」ではなく「40点足りない」と考えてしまう。そんな減点思考が自然と染みついているのかもしれません。

  • 文化の影響
     また、日本の文化的な背景も関係しているのではないでしょうか。たとえば子どもが外で騒いでいると「親のしつけが悪い」と見られることがあります。つまり子どもの行動がそのまま「親の評価」になりやすい社会。だからこそ、親は「人に迷惑をかけないように」「きちんと見えるように」と短所に注目してしまいがちです。

このように短所に目がいくのは、親として自然なこと。決して愛情が足りないからではなく、これまでの経験や環境によってそうなっているのではないでしょうか。


子どもの長所に目を向けると広がる世界

では、短所ではなく子どもの長所に目を向けると、どんな変化が起きるのでしょうか。

  • 子どもの目線から
     良いところで会話ができると、子どもの笑顔が増えます。そして、子どもの笑顔が増えると親も自然と笑顔に。お互いに安心して過ごせる、温かい好循環が生まれます。

  • 親の目線から
     悪いところばかりに目を向けると、「自分の子育てがうまくいっていない」と落ち込みやすくなります。逆に良いところに目を向けると、「子どもってこんなに成長しているんだ」「自分もちゃんとできている」と感じられる。親にとっても子育てが前向きで楽しいものになるのです。子どもにとってよいことをしようとしていたら、自分にとってもよかった、となれるのは気持ちが良いことですよね!

親が元気でいることは、子どもにとって本当に大切なことです。親が笑っていれば、子どもは安心してまた笑います。その笑顔の連鎖こそが、家庭をあたたかくする力になるのではないでしょうか。


長所に気づく考え方のヒント

では、どうすれば子どもの良いところに気づけるのでしょうか。大切なのは、心の持ち方です。

あるがままを受け止める

子どもは「そのままの自分を見てほしい」と願っています。もし受け止めてもらえなければ、「どうせ言っても無駄」と感じてしまうことも。まずは、良いところもそうでないところも含めて、その子のありのままを受け入れてあげることが出発点です。

新しい発見を楽しむ

子どもの行動には、時に「なぜそんなことをするの?」と思うような理解しがたいものもあります。でもそれは「困ったこと」ではなく、「宝箱を開けた瞬間」かもしれません。思いがけない姿に出会ったら、「こんな一面もあるんだ!」と子どもの理解が深まった瞬間と捉えて、冒険のように楽しんでみると、親子の時間がもっと豊かになります。

負けるが勝ち

うまくいかない日は誰にでもあります。子どもに勝とうとして思い通りに動かそうとすると、かえってすれ違ってしまうことも。「負けるが勝ち」という言葉のように、「今日は(子どもに)負けてもいいや」と思えるくらいの余裕があると、子どもの見え方が変わってくるものです。

このように視点を変えてみると、同じ毎日でも違って見えてくるはずです。

比べる気持ちがやわらぐ視点

「どうしてうちの子は他の子のようにできないんだろう」と比べてしまうとき

そんなとき役立つのが「DNAの半分」という視点です。

  • 「似ていて当たり前」と思ってしまうときには
    「同じ血のつながりだから自分の子どもは自分と同じようにできるはず」と思ってしまうことがあります。でも実際には、DNAの半分しか同じではなく、半分はまったく違う存在。だからこそ違って当たり前なんだ、と考えてみると気持ちが楽になります。

  • 「なぜ他の子にできて、うちの子にできないの?」と思ってしまうときには
    「半分は自分と同じDNAなんだから、できない部分があるのも自然」と考えてみましょう。自分にだって苦手なことはあるし、それが子どもに現れているだけ。そう思うと「比べても仕方ないよね」と前向きになれるはずです。

このように視点を少し変えるだけで、同じ毎日でもまったく違って見えてきます。比べるのではなく「この子にしかないもの」に目を向けると、親も子どももずっとラクになれるのではないでしょうか。違う部分こそが、神様が創造された美しさなのです。

イヤイヤ期に困ったとき

つい「困った時期」と捉えてしまいがちですが、実は「自分の気持ちを伝えようとしているサイン」です。イヤイヤと言えるのは、自分の考えや欲求が芽生えてきた証拠。これからの時代を生きていくうえで、自分の思っていることを言葉や態度で伝えられることは、本当に大事な力です。
時には「え、そんなところに行くの?」と思うような危ない場所に向かってしまうこともあります。でも、それも裏返せばチャレンジ精神が旺盛だということ。新しいことに挑戦しようとする気持ちは、これからの時代にますます求められる大切な資質です。「困った行動」も、見方を変えれば「未来につながる強み」になるのです。
すべてのことは見方次第。牧師先生もそうおっしゃっていました。同じ出来事も、親の視点を少し変えるだけで「困ったこと」から「素晴らしい成長」、美しいものへと変わって見えるのです。

比較やイヤイヤで心がざわつくときこそ、少しだけ視点を変えてみる。その積み重ねが、子どもの長所を見つける大きな力になっていきます。


毎日の関わりでできる、長所を見つける工夫

最後に、日常の中でできる工夫を紹介します♪

  • 「良いところノート」をつける
     一冊ノートを用意して、毎日子どもの良いところを1つ書き出してみましょう。同じ内容が続いても大丈夫。1か月で30個の「良いところ」が集まり、自然と子どもの長所に目が向くようになります。カレンダーに書き込んでみるのもいいですね!

  • 繰り返すことで習慣化する
     ピアノの練習やなわとびのように、繰り返すことで体に染み込むように、「良いところ探し」も続けることで習慣化されます。牧師先生もよくおっしゃいますが、「1日、3日、7日、3か月…」と重ねていくうちに、自分の実力となっていき、気づけば当たり前のように良いところが目に飛び込んでくるようになります。

  • 日常の見方を変えてみる
     「よく走り回る」=「元気がある」
     「汚しながら食べる」=「自分で食べようとする力」
     「怒ってわめく」=「自分の気持ちを表現している」
     そんなふうに視点を変えるだけで、短所に見えることが長所に変わります。


まとめ

子どもの良いところを見つけるのは、時に難しいことかもしれません。でも、それは親としての愛情が足りないからではなく、これまでの環境や社会の影響があるからなのです。

大切なのは、心の持ち方を少し変えること。ありのままを受け止め、新しい発見を楽しみ、そして自分自身を責めすぎないこと。そこに「比較ではなく、この子にしかないものを見る」という視点を加えると、親も子どもも笑顔になれるはずです。

子どもの良いところを見つけることは、子どもを伸ばすだけでなく、親自身をも元気にしてくれます。今日から一歩、気持ちをゆるめて「この子の良いところ」を探してみませんか?

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