子育てをしていると、
「これで合っているのかな」
「叱りすぎていないかな」
そんなふうに立ち止まる瞬間が、きっと誰にでもあります。
育児書やSNSには、テクニックやノウハウがあふれています。
でも実は、その前にもっと大切なものがあります。
それが、親としての心構えです。
この記事では、牧師先生が教えてくださった子育ての軸になる「3大原則」をご紹介します。
細かい方法論ではなく、日々の関わり方の“土台”になる考え方です。
このテーマは「前編・中編・後編」でお届けします。今回は1つ目の原則「幼いからといって叱りつけて止めて責めない」を見ていきます。
中編「子どもたちの心を理解しよう」はこちら
後編「親と子どもの仲が良くあってこそ」はこちら
子育ての第1原則
「幼いからといって、叱りつけて止めて責めるな」
つい、こんな場面はありませんか。
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危ないことをしていて、反射的に強い口調になった
-
何度も同じことをする子どもに、イライラして責めてしまった
-
忙しさのあまり、話を聞かずに流してしまった
一度、胸に手を当てて考えてみてください。
「自分も、そうしてしまったことはなかっただろうか」と。
そしてもう一つ、思い出してほしいことがあります。
自分が子どもだった頃のことです。
理不尽に怒られた記憶。
理由もわからないまま、強い言葉を投げつけられた経験。
大人になった今でも、ふと胸がざわつく記憶はありませんか。
子ども時代に受けた言葉や態度は、
自尊心や自己肯定感と深く結びついて残ります。
幼い心は、大人が思っている以上に、言葉の衝撃を強く受けます。
親の夫婦喧嘩を見ただけで、
「世界が崩れ落ちる」ような不安を感じることもあります。
子どもにとって「叱責」は想像以上に重い
大人にとっては、
「少し強く言っただけ」「当然の注意」
でも、子どもにとっては違います。
幼い心は、まだ世界の見方が未完成です。
親の言葉は、そのまま「世界の声」になります。
怒鳴られた瞬間、責められた瞬間、
子どもの中では「自分はダメな存在なんだ」という思いが、深く刻まれてしまうことがあります。
しかも厄介なのは、その傷は、本人も気づかないまま残るということです。
大人になってから
・自己肯定感が低い
・人の顔色ばかり気にする
・失敗を極端に恐れる
そうした性格の根っこに、
幼少期の「言葉の記憶」が隠れていることは珍しくありません。
親は「高い立場」ではない
ここで、子育ての軸になる考え方を一つ。
親は、子どもを支配する立場ではありません。
子どものためにしてあげる役割を持つ存在。
そして何より、子どもは親の所有物ではありません。
KIDSNA STYLE チャンネル【公式】で、「自己肯定感を下げない叱り方」についてSNSフォロワー200万人以上を持つ現役保育士てぃ先生はこう言っていました。
※引用元:【peco×てぃ先生】叱らない子育てのポイントは「可視化」⁉︎/ 子どもの自己肯定感を下げない方法とは?
相手を一人の大人として、人間として捉えることはすごく重要
お茶が置いてあるとき、大人にお願いするときには、
「~さんすみません、ちょっとこのお茶取っていただけないですか」と丁寧にコミュニケーションをするのに、
子どもに対しては、
「はい、12時だよ、片づけて」「10回注意したらそのおもちゃ捨てちゃうからね」
など言ってしまいがち。
大人に置き換えたら、
「おい、〇〇、お茶取って」「取らないならそれ捨てるから」と命令しているのと同じ。
子どもも一人の人間。
自尊心を傷つけられるような言われ方をしたら動かなくなります。
自分が上の立場、だと思って接するのではなく、自分が正しい、と思って接するのではなく、
子どもを一人の人間として接することが大事です。
「高い立場」とは何か?自分に置き換えて振り返ってみた
これを知った時、自分自身を振り返ると、「服を着て、もう行くよ」と言っちゃうとき、
自分のほうが子どもより経験値もあるし、より良い判断ができるとどこかで思っているんだなぁと気づかされました。
それが子どもより「高い立場」として接していることなのだと実感しました。
もし大人相手だったら、「そろそろ服を着て出かけられますか?あと10分後には出たいのですが」
とか話しかけているのになと。大人だったら対等な相手だし、相手の事情を考えて接しますよね(先にトイレに行きたいかも、今手が離せないことをしているのかもとか)
自分としては、先々のことを考えてベストな判断をしているつもりだし、
子どもに対してもそれがベストだと思ってしまっているから
子どもに対して「高い立場」で話しかけてしまうのだろうと思いました。
だから言うことを聞いてもらうのが当たり前になっているのではないかな、と。
高い立場で接しない、と言われると難しく感じるかもしれませんが、
相手も一人の人間としてその気持ちや考えを尊重して接することが大事
と考えれば接し方は変わるのではないでしょうか。
叱らない子育ては「放任」ではない
「叱りつけてはいけない」と聞くと、
「じゃあ、何も言わなくていいの?」
「甘やかしになるのでは?」
と不安になる方も多いと思います。
でも、原則①が伝えているのは
何もしないことではありません。
むしろその逆で、より丁寧に、より深く関わることを求めています。
<接し方のポイント>
叱る代わりに、どう関わるのか
ここからは、原則①を日常で実践するための
具体的な「接し方の軸」です。
① 関心を払う。叱る前に「教える」
まず何より大切なのは、
関心を払ってあげることです。
子どもが何か問題行動をしたとき、
私たちはつい
「ダメ!」
「やめなさい!」
と言ってしまいます。
でも多くの場合、子どもは
・なぜダメなのか
・どうすればよかったのか
を、まだ理解していません。
だから必要なのは、叱責ではなく説明です。
「これは危ないから、こうしようね」
「こうすると、こうなるんだよ」
教えてもらって初めて、
子どもは「学ぶ」ことができます。
② 無視しない。話を聞き、一緒に行う
子どもにだって言い分があります。
「やりたくない」
「だって~なんだもん」
子どもがなぜそれを言っているのか?なぜやりたくないのか?
考えて一緒に解決する方法を考える。
例えばこんなとき。
外が寒いから上着を着せたいのに来てくれない。
やだ、と言うとき、その理由は、
「好きな上着じゃない」「着心地が悪い」「ボタンが難しくて自分で着づらい」
など理由が色々考えられます。
「どの上着を着たい?」と聞くとか、その理由ごとに対応の仕方を変えて、
どうしたら着てくれるのか一緒に考えると解決できるかもしれません。
「今は寒くない」という理由であれば
「寒くなったら着る?」と聞いてみて、本人が「うん」というならば、
「お外出たら寒いと思うから、上着持っていくね。寒くなったら着ようね」
と今は着せるのを諦める、という手もあるかもしれません。
話を聞いてもらえないことは、存在を否定された感覚につながります。
「一緒にやる」という姿勢そのものが、
子どもの心を落ち着かせます。
③ 間違いは、正しく教える
「叱らない」と「注意しない」は違います。
間違っていることは、
間違っていると、きちんと教える必要があります。
ただし、それは
怒りを乗せた言葉ではなく、
事実と理由を伝える形で。
「それはしてはいけない」
「なぜなら、こうなるから」
人格ではなく、行動にフォーカスする。
これが、心を傷つけずに伝えるコツです。
④ 吸収力が強い時期だからこそ、愛をもって導く
幼少期は、
良いことも悪いことも、驚くほど吸収します。
だからこそ、
恐怖で抑え込むのではなく、
愛をもって教えることが重要です。
「あなたが大切だから」
そのメッセージが伝わる関わり方が、
子どもの中に安心感を育てます。
⑤ 無理やり導かない。理にかなった方法で、平和に接する
力で押し切れば、
子どもは一時的に従うかもしれません。
でも心は、離れていきます。
・言葉を荒げない
・感情で引っ張らない
・理屈と納得で導く
純粋に、誠実に、そして平和に接すること。
強制するほうが早く感じるかもしれません。
でも長い目で見れば、これが一番近道なのです。
まとめ
「幼いからといって、叱りつけて止めて責めるな」
これは、
子どもを甘やかせという言葉でもなく、優しくしなさいという単純な話ではありません。
・関心を払う
・理解しようとする
・教える
そのすべてを含んだ、子どもとの丁寧な関わりを促す愛の言葉です。
そしてもし今これを読んで、「叱りつけてしまっていた」「言い過ぎてしまっていた」と後悔していることがあるならば、
今からでも大丈夫。
「さっきは言い過ぎたね」
「怖い言い方をしてごめんね」
と傷つけてしまったことを謝って、これからの接し方を変えればいいのです。
次の【中編】では、
「子どもの心を理解する」とは具体的に何なのか
その内側に、さらに深く踏み込んでいきます。




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